人為的な交配で生まれた犬種?
全ての犬種のイヌたちは自然に生まれた形ではありません。
人間に愛されるために人為的に小型化や顔を歪まさせられた犬たちもいます。
例えばブルドッグもその一つで、彼らはつぶれた顔、ずんぐりした体、だぶついた皮膚になるよう選択的に交配が重ねられてきました。
今回はそんな「人為的な交配を続けて出来た犬種が抱えるリスク」について調べてみました。
皆さんも一緒に確認していきましょう。
人為的な犬種が抱えるリスク
彼ら人為的な交配によって生まれた犬種たちは様々なリスクを抱えています。
まずはそれを知ってもらうために、リスクについて調べた内容をまとめました。
本来必要な身体の仕組みを壊してしまう
必要な身体の仕組みってどういうこと?
動物や人間、全ての生き物は自然に適用して長く生きられるように進化してきました。
では、それが人為的にいじられてしまったらどういうことになるでしょうか。
例えば、ブルドッグという犬種。元々は力強さや頑強さを象徴するイヌでした。
それが品種改良のためフレンチブルドッグのような可愛らしい姿になりました。
人に愛されるために姿を変えたと言えば聞こえは良いですが、
彼らは呼吸や骨格、皮膚の障害を抱えています。
左が通常のイヌの背骨、右がフレンチブルドッグの背骨です。
凄くボコボコ・・・こんな状態で生きていられるものなの・・・?
背骨は生き物にとって重要な器官で、それが通常と違うだけで様々な健康面で影響が出てしまうのです。
こうした犬は幼いうちに呼吸障害を起こしてしまうと、5歳異常まで生きられない可能性が高いです。
小型犬は病気を発症しやすい
- SNSで映える
- 女性に人気
- 家が広くなくても飼いやすい
こういった点で小型犬は非常に日本で人気の犬種ですが、
彼らも人為的な交配による品種改良で作られた犬種です。
例えば、チワワなどの小型犬には、小型であるがゆえにかかりやすい病気がいくつか存在します。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)、通称パテラもその病気らの一部なのですが、これはグレード1〜4まで分類されていて、グレード4になると膝蓋骨は常に脱臼した状態で、手で押しても元の位置に戻すことができません。
後ろ足を曲げたままの状態で、うずくまるように歩きます。
他にもかかりやすい病気は多くあります。
チワワのように飛び出すような目が大きく飛び出すような目の犬種の場合は角膜炎を起こしやすかったり、他にもこのような症状が小型犬には多く見られます。
- 膀胱、腎臓、尿道などに石が溜まる病気の尿路結石症
- 運動障害や知覚障害、麻痺や斜視などの症状の水頭症
- 気管が潰れて変形し、呼吸困難や酸欠によるチアノーゼや咳などが起こる気管虚脱
この他にも発症しやすい病気はあり、人間に好かれるために小さくなった犬たちはこのリスクを抱えながら生きています。
人気の出ない犬種に未来はない
人に好かれるために小型化や、様々な品種改良を施した犬たちはペットショップに並ばれます。
ではペットショップで飼手の見つからない犬はどうなるのか?
ショップで面倒を見てもらえる犬もいますが、エサ代や散歩に作れていく手間も発生するので、全ての犬をずっと面倒見るわけにはいきません。
次に譲渡会で里親探しのため連れてかれます。
ここで飼い主が決まれば良いのですが決まらない場合は、保健所に連れてかれて彼らは殺されてしまいます。
元々、先天的な障害がある犬の未来はもっと悲しいもので、
そもそも飼手が見つかりやすいペットショップにすら並ばせてもらえない可能性だってあります。
先天的な障害を持った犬たちは一体、誰に望まれて生まれたのかしら
悪いのは誰?
ここまで、彼ら人為的な犬種たちが抱えるリスクについて説明してきました。
このようなリスクを持った彼らが望むことは何でしょうか?
ちょっとネガティブな発想かもしれませんが、
逆に「望まないことは何なのか?」を見ていった方が分かりやすいと思ったので
「悪いのは誰なのか?」という視点でまとめたいと思います。
飼うのを放棄し、ペットを捨ててしまう飼い主
なんでせっかく飼ったペットを捨ててしまうのかしら
ペットを捨ててしまう理由は、ただ単純に人間のエゴですが、ペットを飼う理由は様々です。
- 一人暮らしで寂しいため
- 友人や知り合いが飼っていて羨ましく思ったため
こういう理由の方ばかりではないですし、中には里親募集している犬たちから引き取る方もいます。
またこういった理由で飼うのは私は悪いとは思いません。
ただその後の行いによって善悪が別れます。
大切に育てて、彼らの持つリスクと向き合って暮らしていける人たちなら良いと思います。
可愛い自慢の愛犬の姿をSNSに投稿して多くの方に見てもらうのも、
ちゃんと彼らと向き合い、理解して育てているのであればいいんじゃないでしょうか。
しかし、彼らを理解しようともせず、育てるのが面倒になったとか、恋人ができて邪魔になったとか、
そういった理由で彼らを邪魔者扱いし、しまいには捨ててしまう。
そんな行いをされた彼らは野良犬となり、保健所で殺されてしまうのです。
ペットをアクセサリーとしてしか考えていない飼い主
ペットは生き物で、本来は自然に生きていました。
彼らは誰かの所有物ではなく、アクセサリーのような扱いを受けるべきではありません。
アクセサリー感覚でペットを飼う人たちに彼らは、
インスタ映えのために、愛でているという表向きな理由を盾に虐待を受けています。
以前、ある芸能人タレントが花束と愛犬の写真をInstagramで公開していました。
写真ではお人形のように小さく可愛い犬が、不安定な高い場所で片手で犬を持ち上げられています。
最初に写真を見た時に人形かと思いましたが、まだ幼く小さいだけでちゃんと生きている犬の写真です。
この投稿にはショックを受ける人も多くいたそうで、
「物のように扱ってるようにしか見えません」
「動物は飾りじゃないよ!」
「落ちちゃったら危ないのでしっかり抱っこしてあげて」
「インスタ映えペットのようにしか見えない」
「こういう投稿はファンも嫌な気持ちになります」
といったコメントも多かったようです。
飼い主はこのコメントで気づけてよかったのかもしれないわね
ペットビジネスそのもの
ペットビジネスは元々、お金を稼ぐために始まったビジネスです。
そもそもこのビジネスは続けるには無理があると思います。
どんな犬種が売れるかどうかもわからないのに一定数交配させて、ペットショップで売り出します。
これがモノであれば売れ残った時に廃棄することはできますが、
彼らは生き物で、そういうわけにはいきません。
また彼らは維持するためにお金や労力がかかります。
- 食わせなければ飢えてしまうため、エサ代がかかる
- 散歩につれていく労力、または人件費
- ブラッシングなどの手入れ
- 健康を害さないためにお部屋をキレイに保ち続ける必要がある
- 病気になった時は動物病院に連れて行く
といった感じです。
ちょっとしたことですぐに赤字になってしまうこのビジネスを運用し続けていくには、
あらかじめ犬が売れる年齢を決めて、年齢を過ぎたら里親探しのために動物保護団体に預けたり、
保健所へ連れて行くといったことを淡々とやっていく必要があります。
まとめ
これまでの内容のまとめです。
- 人為的に作られた犬種には、本来必要な身体の仕組みを壊してしまう恐れがある
- 人に愛されるために小型化された犬たちは病気を発症しやすくなった
- 先天的な障害があるなどの理由で飼手が見つからない犬は殺されてしまう
- 人間のエゴでペットを捨ててしまわないようにするべきだ
- ペットはアクセサリーではない、彼らの気持ちや感情を大事にしてあげるべき
- そもそもペットビジネスには無理がある
今の私たちにできることは何でしょうか。
ペットショップで飼う人が増えると売り手はもっと買ってもらうために、交配させて犬を増やしペットショップで売り出します。
しかし、ペットショップで飼われない彼ら犬たちの未来を考えると、「飼わない」という選択を素直にできませんよね。
また里親探し中の犬を飼えばそれで良いというわけでもありません。
むしろ飼った後に彼らをどれだけ大事にできるかが大事だと思います。
まずは「飼う」という選択を慎重に、飼ったなら責任を持って最後まで面倒を見るということが、
最低限の私たちにできることなのではないのかなと、私は思います。
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